看護師の給与格差は何故起こるか

同じ看護師でも賃金には大きな差があります。その原因が、地域差と学歴です。地域差による賃金の格差は、地方の方が低く都会の方が高いという傾向です。

地方は人口密度が低い分、患者数も少なく給料も低くなりがちです。また、病院には経営母体があり、給料は病院ではなく経営母体から支払われます。普通の企業と同じく、人が多く集まる都心の方が経営母体も充実しており、それが給料に反映されてしまうのです。地方看護師は数が少なく、人手不足が常で社会的な問題になっています。賃金の格差が社会問題に繋がるのは長期的な観点でじっくり解決する必要があります。

もう一つの学歴は、専門学校卒か大学卒かという点です。通常の企業であれば大卒の方が給料が良い、というイメージがありますが、看護師も同様です。看護師の最終学歴で最も多いのは専門学校卒で、看護師の平均給与の相場は専門学校卒を対象として計算されているデータがほとんどです。専門学校卒の場合、同じ職場で働き続ければ基本給や手当ての額が上がります。初任給が25万円から27万円ほどでも、10年ほど働けば30万円以上の給与が期待できます。

一方大学卒は、初任給は専門学校卒と変わりません。しかし昇級しやすいというメリットがあります。昇級に伴い給与も大幅にアップし、最終的に40万円から50万円の月給が期待できます。また、採用担当者が大学卒を優先的に採用するところや、管理職を前提にして人材募集をしているところでは、学歴の差で待遇が大きく異なる場合もあります。